体験談



ピマ族スエットロッジ

かすの ちえ  

今回の旅行で最も楽しみにしていたものの1つが
スウェットロッジ。ネイティブアメリカンの多くが昔から
やっていた儀式の一つ。

フェニックス近くに住んでいるピマ族のリザベーションへと向かう。
High Wayからから見えた太陽。雨が上がってきれいな雲の
合間から、光が差し込んでいる。
360℃大地が見える場所。日本ではまずお目にかかれない光景だ。

High Wayを降りて、小道へと入ると、バラック小屋のような
家々が出てくる。平らな大地。
一気に、リザベーションに入ったことを感じさせる。

少し行くと、背の高い木々に、色とりどりの布が巻きつけてある
ものが見えてきた。Sun-Danceの儀式で使う木々。
毎年、イースターの翌週に行われるそうで、今年も新しい木を
山から持ってきてもうすぐ行われるそうだ。
初めてSun-Danceのことを聞いたとき、その壮絶さに驚いたもの
だった。ネイティブアメリカンにとって、通過儀礼の一つであり
Mother earthとSpiritを感じる大切な儀式だ。

その木が立っている方へと車が進んでくると、
全身がゾワゾワっとしてくる。何かを感じているサイン。
車が止まり、降りると、Drumの音と歌が聞こえてきた。

その途端、涙が流れそうになった。
初めて生で聞くその音。私の中の何かがその音によって
繋がったような感じがした。

Eriさんがポトラックパーティー用の夕食を小屋のような
場所へと運ぶ。その間中、私はDrumの音にやられていた。
フラフラと、5人がたたくDrumの横へと行き、ストンと芝生の
上に座り込んだ。

Tシャツ・Gパン姿の彼ら。
特に、特別な衣装を着ているわけでもない。
後ろには、真っ赤に燃えた夕焼けの空が広がる。
(今年SunDanceを行う人たちが歌の練習をしていたそうだ。)

初めて聞く音色。
言葉の意味も全く分からない。
それでも。一曲、一曲、音が流れるたびに、涙があふれてきた。
音が終わると、涙は止まる。とても不思議な感じ。
でも、こういう涙が意味することが何であるか、
私は知っている。今までにもそういうことが何度かあったもの。

細い木で骨組みを作り、シートをかぶせられたスウェットロッジ。
その前には、焚き火がたかれ、使われる石が真っ赤に
焼かれている。日が落ちると、ここも寒い。

ネイティブの部族間でさえ、他の部族の儀式に参加することは
許されていないことが多い。にも関わらず、ここのリーダーである
Edmondは部族以外の誰でも喜んで迎え入れている。
後で、なぜそんなことをはじめたの?と聞いたら、
「僕達が持っているものを、たくさんの人にshareしたかったんだ。
伝統は時として変えていくものだと、僕は考えているんだ」
と教えてくれた。

そのEdmondの声がかかり、いよいよスウェットロッジが始まる。
今日は、20人近い人が集まってきている。
いったいどんなことが起こるんだろう・・・。

空には、明るい月が輝き、星が見えていた。

‘アホゥ ホモタキュラス’

女性と子どもからスウェットロッジの周りを一周した後、
大地に感謝し、額を大地につけロッジへと入った。

真っ暗な暗闇。

祈りの言葉があり、真っ赤に熱せられた石が
ロッジへと運び込まれる。
セージの葉が石の上に置かれると、一気にミント
のような香り広がり、呼吸が楽になる。

さらに祈りの歌が響き、水がかけられ、
暗闇の中に蒸気が広がり、押し寄せてくる。

ロッジの中にいる全員が自己紹介と、何のために
今日祈るのかを言っていく。

Whole spiritのために祈る人、
家族の人に祈る人、
なんらかのAddictionを持っていてそれに対して祈る人、
今日のご縁に祈る人、
さまざまである。

その言葉が続く間中、Drumの音が鳴り響く。
その音は、私のスイッチを入れ、涙が止まらない。
私のメッセージに対して、暗闇の中から周りの
声が聞こえてくる。Sympathyの声が、心に届く。
この中に集まった人たち。顔も見えないが、ここに
今日集まった意味が必ずある。
他の人のコメントに自分の状況が重なり、シンクロが起こる。

祈りや歌が続き、どんどんと蒸気で満たされ、
体中から汗が滴り落ちてくる。

スウェットロッジの中、一寸先も見えない闇と蒸気に
包まれていると、自分そのものがどこまでなのか、
境界線が分からなくなってくる。
そして、闇の中でありながら感じる他者。
一人だったら、絶対にこんなにも熱く、息苦しい中には
いられない。

日本の伝統舞踊ではお面が使われる。
お面をつけると視界が非常に狭くなる。
あれは、自分の内側へと向かう心の目だと聞いたことがある。
まさに、スウェットロッジは同じような効果があるのかも
しれない。

暗闇の中で、Edmondの声が聞こえる。
ネイティブが迫害され、土地を奪われ、食事も配給制になり、
多くのネイティブ達がそうであったようにドラッグに手を
染め、その中から這い上がってきて、リーダーとなった彼。
スウェットロッジの中にいて、場を保ち、落ち着いた声で
安全な場を創り、Keepしている。そこには、ネイティブ達が
大切にしているFaithがあるようにも感じられた。

LeaderやFacilitatorが何たるか
言葉以上のものをEdomondから感じた。

Drumと歌と蒸気と闇の中、
私は次第に内側へと入っていった。
1セット目が終わり、休憩に入る。少し雨がぱらついていた。
私は、体中から蒸気を出しながら、
はだしで大地の感触を確かめるように歩いていた。
まだ、内側のVisionと繋がったまま。
Body,Mind,Soul,Spirit全てがクリアな感じだ。

2セット目が始まり、また闇と蒸気が襲ってくる。
考えられないぐらい熱いはずなのに、熱さよりも
自分の内側への入り口が近くにあることを感じる。

言葉では言い表せないような、WonderとWonderfulが
たくさん詰まった時間だった。

Nativeが大切に守ってきた伝統。
人がよりよく生きるために守ってきたもの。
人がより大地や自然など全てのものを感じること。
人がそれらのものに感謝し、自分もその一部だと感じること。
人の内側が全てのSpiritと繋がっていることを感じ、
その中からWisdomをいただいていくこと。

ほんの少しの時間だったが、その何たるかを
ほんの少し感じた。

脈々と、太古から続くもの。
人がこの地球に生を受けて、
地球上全てのものと関わっていかされていること。

闇の中であっても、他者を感じる安心感。
他者とのつながり。
これに勝るものはなく、全てのものとのつながりを
取り戻したとき、Egoを手放し、バランスが取れてくる。

スウェットロッジという方法でなくとも、
そのつながりを取り戻す方法が必ずあるはずだ。
今、この時代だからこそ出来ることがあるはずだ。
その、私なりの方法を、探し続けたいと想う。

全ての時間が終わると、順番に外へと出て行き、
参加者全員と握手やHugをした。
お互い、その場に存在したことに感謝をしながら。

EriさんがHugしながら
「来てくれて、本当にありがとう」と言ってくれた。
こちらこそ、このご縁に、本当に感謝です。
ありがとう。